ボッティチェリ展

 ボッティチェリ展へ行ってきました。フィリッポリッピ、ボッティチェリ、フィリッピーノリッピが主にピックアップされている感じでした。

 フィリッポリッピ(父)とフィリッピーノリッピ(息子)は親子みたいです。たしか、フィリッポリッピはお坊さんだったけど修道女と駆け落ちしたはずです。フィリッピーノはその時の子供?かもしれませんね。ボッティチェリはフィリッポリッピの弟子でしたが死後ベロッキオに弟子入りしたそうです。ベロッキオはレオナルド・ダ・ヴィンチの師でもあります。そういえば前に、ボッティチェリとレオナルド・ダ・ヴィンチがベロッキオの工房に居たとTVで見ました。フィリッピーノリッピはボッティチェリに弟子入りしたそうですが後にボッティチェリの元を離れ自分自身の絵の様式を確立していったそうです。刺激を与えあえる同業者がいっぱいいたんですね。豪華な顔ぶれです。

 

ボッティチェリは、時代の権力者2人に大きく画風を(人生も)左右された人でした。豪華王ロレンツォ・メディチの時代には「春」や「ヴィーナスの誕生」のような華やかな作品を描き、サヴォナローラの時代には色もくすませた暗ーい内容の絵を描きました。しかし、どちらの絵も心から描いていたみたいです。そこがへーっと思います。甘いものばかり食べすぎるとしょっぱいものが無性に食べたくなる、そんな心理だったのでしょうか。

 

今回の展示ではフィリッポリッピが一番好きだなあと思いました。人物のフォルムが丸っこく全体的におもちゃみたいに見えるところが気に入りました。欲しくなりました。

また、3人の金色の入れ方きれいだなあと思いました。3人とも天使の輪、羽、後光、服の刺繍あたりに金色を入れていました(3人に限らず、金色はそう描くものだったのかもしれません)。細い線と点で繊細に描かれていてこういうの好きです。ボッティチェリとフィリッピーノリッピは金色が敬虔に感じられました。フィリッポリッピの金色はメルヘンチックでその雰囲気にだいぶハートを射抜かれました。

でも、フィリッポリッピは「聖母子と二天使」のイメージがあって、上の作品とはだいぶ画風が違う気がするのですが、画風の変遷ととらえればいいのでしょうか。「聖母子と二天使」の聖母がすごくきれいで、どちらにしろ好きな作家です。

 

上野は花見の人で公園改札を出るところから混んでいました。ボッティチェリ展も最終日という事で混んでおり、絵の前は牛歩のような状態。最終日に来るものじゃないなと思いましたが、展覧会に間に合っただけでも儲けもんです。見れてよかった。